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Translated by WILLIAM N. PORTER
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壬生忠見
恋すてふ
我が名はまだき
立ちにけり
人しれずこそ
思ひそめしか
ひとしれす
こそおもひ
そめしか
こい
- 41番歌
-
恋すてふ
我が名はまだき
立ちにけり
人しれずこそ 思ひそめしか
作者:壬生忠見(生没年不詳)
出典:拾遺和歌集 恋
- 現代語訳
- 恋をしているという噂が早くも立ってしまった。気づかれないように心の中で密かに想い始めたばかりなのに。
- 解説
- この歌は、「天徳内裏歌合」において「未逢恋」(未だ逢わざる恋)というお題が出されたときに詠まれました。平兼盛の歌と平兼盛の歌と互角の勝負を繰り広げます。しかし、結果は、村上天皇が「しのぶれど」の歌を口ずさんでいたという理由で惜しくも敗北。落胆のほどはあまりに大きく、壬生忠見は食事が喉を通らなくなり、病床に伏して亡くなったという逸話が『沙石集』に伝えられています。
- どんな人?
- 壬生忠見は、壬生忠岑の息子にあたります。村上天皇に仕えた下級官人でした。歌の才能は父譲りで、幼少の頃から歌に秀でて、内裏よりお召しがあり、御厨子所で働き、摂津大目になりました。
- 語句・豆知識
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- 恋す てふ
- 恋しているという
- わ が 名 は
- 私の噂が
- まだき
- 早くも
- 立ち に けり
-
(評判が)立ってしまった
完了の助動詞「に」+過去の助動詞「けり」で「~てしまった」又は「~た」と訳します。 - 人 知れ ず こそ 思ひそめ しか
- 人に気づかれないように想い始めたばかりなのに
- 壬生忠見の系図
-
■の番号が付いている人物をクリックすると、その歌人のページに移動します。
壬生忠見は「天徳四年内裏歌合」で平兼盛と競い合い、平兼盛と競い合い、負けてしまいましたが、両者良い歌で接戦だったといわれています。
壬生忠見は古今和歌集の撰者を務めた壬生忠岑の息子です。親子で百人一首に選ばれました。
- 三十六歌仙
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壬生忠見は三十六歌仙の1人。
三十六歌仙の一覧ページはこちらをご覧ください。
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