時雨の百人一首

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位階いかい八色やくさかばね

平安時代の宮廷では、すべての官人に「位階」という個人の序列が与えられていました。どの役職に就けるかは位階によって定まる「官位相当制」のもとで、位階は出世の可否を左右する最重要の指標でした。このページでは、位階の構造と、その土台となった「八色の姓」を解説します。

なお、各役所の官職と位階の対応表(官位相当表)については、中央官制(二官八省)のページに掲載しています。

位階いかい

位階は、個人の官人としての序列(等級)を表す制度です。位階は全部で30段階あり、上位の14段階(正一位〜従五位下)が貴族とされていました。どの役職に就けるかはこの位階によって定まっており、昇進するほど高い官職への道が開けるしくみです。

位階のピラミッド構造
位階はこのようなピラミッド構造になっています。貴族は試験や仕事の評価によって位階を上げることができましたが、「蔭位おんいせい」と呼ばれる親の位が高いとその子供は高い位からキャリアをスタートできるという不平等な仕組みが存在し、世代が変わっても位階の流動が起きにくくなっていました。五位と六位の差は収入面でも歴然とした違いがあり、およそ4倍以上の差があったといわれています。

蔭位おんいせい

蔭位の制により、父祖の官位が一位から五位であれば、その子供は21歳以上で高い位を与えられ、キャリアをスタートできる特権が与えられていました。下表は、父親の位とその子・孫が任官される位を表したものです。一方で蔭位の制の恩恵に与れない人々は、大学を卒業したとしても正八位からスタートするのが一般的でした。しかも初めて位を与えられるのは25歳以上とされていました。

親の位 子供の位 孫の位
一位 従五位下 正六位上
二位・三位 六位〜七位
四位 七位〜八位

位階の土台となった八色やくさかばね

平安時代に官職を拝命する貴族たちにとって、その官職に値する位階があることが前提となっていました。そしてその位階がどこからスタートするかを決めたのが、「八色の姓」です。

「八色の姓」は、それまで豪族中心だった政治の世界を天皇中心に変えていくために、天武天皇によって制定されたものです。それまで姓は各地の豪族が独自に名乗り乱立していましたが、八色の姓においては、天皇との親密さを基準に8つのランクに集約されました。

下表は八色の姓をまとめたものです。

説明
真人まひと 皇族に近い最上位の姓
朝臣あそん 藤原氏、源氏、平氏、菅原氏など、平安貴族の代名詞。
宿禰すくね 伴氏(大伴氏)や紀氏など、古くからの有力豪族。
忌寸いみき 渡来系の技術を持つ氏族など。
道師みちのし 実際にはほとんど授与された例がない姓。
おみ 従来の「臣」のうち、朝臣になれなかった層
むらじ 従来の「連」のうち、宿禰になれなかった層
稲置いなぎ 地方官(国造くにのみやつこなど)の層

このように整理された「姓」は、各氏族がどの程度の位階まで昇進できるかを左右する、いわば家格を示すものとなりました。

位階と官職の対応(官位相当表)、および四等官の解説は、中央官制(二官八省)のページをご覧ください。

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