治安・警察に関わる役所
平安時代の都では、宮中の警備、官人の監察、都の治安維持を担当する役所が置かれていました。六衛府は宮中の警備を、弾正台は官人の監察を、検非違使は京の警察や裁判を担うなど、それぞれ異なる役割を持っていました。
六衛府
六衛府は、近衛府・衛門府・兵衛府の三種類の衛府が左右に置かれた六つの警備機関の総称で、平安初期にはこの六つの衛府による警備体制が定着しました。これらの衛府は、天皇の護衛、宮門の警備、宮城内の巡察などを担当し、宮中の治安を維持していました。
宮中の警備範囲は、下図のように分担されていました。
内裏の周囲:兵衛府が警備
大内裏の内側:衛門府が警備
近衛府
近衛府は奈良時代に設置された機関で、律令の令制に規定がない令外官です。近衛府には、左近衛府と右近衛府がありました。内裏内を警備したり、行幸(天皇のお出かけ)の際は行列に加わりました。
衛門府
衛門府は、大内裏内を警備し、行幸(天皇のお出かけ)の際は行列に加わりました。
衛門府には、左衛門府と右衛門府がありました。
兵衛府
兵衛府 は、内裏周囲を警備し、行幸(天皇のお出かけ)や行啓(皇太子や皇后等のお出かけ)の際は行列に加わりました。兵衛府には左兵衛府と右兵衛府がありました。
弾正台(官人監察)
弾正台は、官人の不正を監察するほか、京内の風紀や秩序の取り締まりも担当しました。検非違使が設置されると、弾正台の役割は検非違使に吸収され、弾正台は形骸化しました。
検非違使
検非違使は、嵯峨天皇の時代に京の治安維持のために設置された「令外官」です。後に刑部省、弾正台、京職などの仕事を吸収し、裁判も取り扱うようになりました。また、検非違使には衛門府の官人が任じられることが多くありました。
検非違使の実務部隊には、放免と呼ばれる者たちがいました。元罪人などを中心に構成され、裏社会に通じていることから犯人の探索や捕縛、取り調べなどの実力行使を担いました。