日本語音声:NHKクリエイティブ・ライブラリー
Translated by WILLIAM N. PORTER
English Audio:LibriVox
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待賢門院堀河
長からむ
心もしらず
黒髪の
みだれてけさは
物をこそ思へ
MY doubt about his constancy Is difficult to bear; Tangled this morning are my
thoughts, As is my long black hair. I wonder—Does he care?Lady Horikawa, in Attendance
on the Dowager Empress Taiken
- 80番歌
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長からむ
心もしらず
黒髪の
みだれてけさは 物をこそ思へ
作者:待賢門院堀河(生没年不詳)
出典:千載和歌集 恋
- 現代語訳
- 末永く愛してくれると言うあなたの心ははかりがたく、お別れした今朝の私はこの黒髪が乱れるように心も乱れ、物思いに沈んでいます。
- 解説
- 『千載和歌集』の詞書に「百首歌奉りける時、恋の心をよめる」とあり、この歌は題詠で、崇徳院が主催した百首歌「久安百首」に詠進されました。恋愛において、待ち続ける立場だった女性の不安な気持ちが乱れた黒髪に見立てられています。
- どんな人?
- 待賢門院堀河は、崇徳院の生母である待賢門院璋子に仕え、崇徳院の時代に歌人として活躍しましたが、保元の乱により崇徳院が流刑になりました。堀河は、待賢門院とともに出家し、仁和寺で晩年を過ごしました。
- 語句・豆知識
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- 長から む
- 長く変わらないというような
- 心 も 知ら ず
- (相手の)真意がわからない
- 黒髪 の 乱れ て
- 黒髪が乱れて
- 今朝 は 物 を こそ 思へ
- 今朝は物思いに沈んでいる
- 待賢門院堀河の相関図
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待賢門院堀河は、鳥羽天皇の皇后・待賢門院(藤原璋子)に仕えました。
- 和泉式部の「乱れ髪」の歌
- 和泉式部も乱れた髪を題材にした歌を詠んでいます。
原文
黒髪の 乱れも知らず うち伏せば
まづかきやりし 人ぞ恋しき 後拾遺和歌集』和泉式部現代語訳
黒髪が乱れているのも気にも留めず、思い乱れて横たわっていると、かつて髪をかき分けてくれたあの人が恋しい。
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