日本語音声:NHKクリエイティブ・ライブラリー
Translated by WILLIAM N. PORTER
English Audio:LibriVox
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藤原興風
誰をかも
知る人にせむ
高砂の
松も昔の
友ならなくに
GONE are my old familiar friends, The men I used to know; Yet still on Takasago beach The same old pine trees-grow, That I knew long ago.Oki-kaze Fujiwara
- 34番歌
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誰をかも
知る人にせむ
高砂の
松も昔の 友ならなくに
作者:藤原興風(生没年不詳)
出典:古今和歌集 雑
- 現代語訳
- 誰を心を通わせられる友にしたらいいのだろう。長く生きている高砂の松も、昔からの友ではないし。
- 解説
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松は常緑樹で長寿の象徴です。高砂(兵庫県高砂市)は昔から松の名所として知られていました。
長寿は本来おめでたいことですが、長く生きれば、心を通い合わせられた友を一人また一人と亡くすことがあります。この歌は、年老いて自分だけが取り残される孤独を詠んだものです。平安時代では、40歳で老境に入ると考えられていました。作者は74歳のときにこの歌を詠んだとされています。
- どんな人?
- 藤原興風は身分は高くありませんでしたが、歌人として高く評価されました。「興風集」という家集を残しています。また琴の名手としても知られていました。
- 語句・豆知識
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- 誰 を かも
- 誰を一体
- 知る 人 に せ む
- 分かり合える人(親しい友人)としよう。
- 高砂 の 松 も
- 高砂の松も
- 昔 の 友 なら なくに
- 友達ではないのに
- 藤原興風の系図
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藤原興風は、藤原京家から唯一、百人一首に選ばれた歌人です。藤原京家は藤原麻呂を祖とする家系で、麻呂が左京大夫であったことから「京家」という名前がつけられました。
藤原興風の祖父で参議の藤原浜成は娘婿の氷上川継が桓武天皇に反乱を起こす計画「氷上川継の乱」が発覚。浜成は連座して参議を解任されており、藤原京家は、政治面ではあまり活躍しませんでした。
- 春の歌
- 春の訪れを知らせる鶯の鳴き声をもっと聞かせてほしいと藤原興風が詠んだ歌です。
原文
声絶えず 鳴けや鶯 ひと年に
再びとだに 来べき春かは 『古今和歌集』藤原興風現代語訳
鶯よ、声が絶えないように鳴いておくれ。
一年に二度でさえ来る春はないのだから。 - 『光る君へ』で登場した歌
- 古今和歌集に収録されている藤原興風の歌が大河ドラマ『光る君へ』第10回「月夜の陰謀」で登場しました。
道長がまひろ(紫式部)に贈っています。原文
死ぬる命 生きもやすると こころみに
玉の緒ばかり 逢はむと言はなむ 『古今和歌集』藤原興風現代語訳
死んでしまいそうな命だ。生き返るかもしれないから
試しにほんの少しでも逢いたいと言ってほしい。 - 琴
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琴は奈良時代に中国から伝来した楽器で、左手で弦を抑え、右手で弦を弾いて音を出します。琴には、「琴」と呼ばれる7弦の琴、「和琴」と呼ばれる6弦の琴、「筝」と呼ばれる13弦の琴があります。
Metropolitan Museum of Art, Public domain - 歌川国芳の『百人一首之内』
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江戸時代の浮世絵師・歌川国芳による浮世絵です。
百人一首の和歌に合わせた情景が描かれています。 - 三十六歌仙
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藤原興風は三十六歌仙の1人。
三十六歌仙の一覧ページはこちらをご覧ください。
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