『当流猫の六毛撰』
この作品を描いたのは、江戸時代の絵師、歌川国芳です。大変な愛猫家として知られる国芳は、平安時代の高名な歌人「六歌仙」をテーマに、なんと主役を猫たちにしてしまいました。歌人の名前と猫特有の仕草を巧みに結びつけ、ユーモアたっぷりの作品に仕上げています。
作品の形が少し欠けた楕円なのは、もともと夏に涼をとるための団扇うちわに描かれた「団扇絵」という様式の浮世絵だからです。
気になる猫をクリックすると、モチーフとなった歌人の紹介ページに移動します。
ただし、右下の黒ぶちの猫は、六歌仙を紹介する大伴黒主を紹介文に移動します。彼は六歌仙の中で唯一『百人一首』に選ばれなかった歌人なのです。少し不憫に思えるかもしれませんが、絵の中の彼はとても楽しそうです。猫であるがゆえに、そんな人間の格付けなど気にしていないのかもしれません。