時雨の百人一首

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百人一首は、私にとって幼い頃から身近な存在でした。家族でのかるた遊びや学校の授業、中学校で開かれた大会など、触れる機会は多かったのですが、当時はただの遊びや暗記の対象だっと思います。 歌人たちの人となりや、歌に込められた心情の深さまで思いを馳せることは、正直ありませんでした。

その百人一首に対する認識ががらりと変わったのは、40代半ばを過ぎてのことです。ある日、図書館で初学者向けの百人一首の本をふと手にとったことがきっかけとなりました。 その本では、歌人たちの多くは皇族や貴族という上流階級の人たちが多いのですが、多くの歌人が苦難や不遇、そして報われない恋といった苦い人生を送っていたことが、解説されていました。

はるか昔の歌人たちが、現代を生きる私たちと同じように悩み、傷つき、孤独を感じていたという意外な事実に、なんとも言えない親近感を覚え、百人一首が「遠い古典」と言う印象から「現代に通じる人間ドラマ」のようだと感じるようになりました。

それからは、もう一度一から勉強し直したいという気持ちに駆られ、古語辞典や中学生向けの古典の参考書を買い求め、百人一首や和歌に関する本を少しずつ読み進めるようになりました。

このサイトは、ただの素人が遅まきながら始めた学びの記録にすぎません。しかし、制作を進めるうちに、この百人一首の奥深い魅力をサイトにぎゅっと詰め込み、一人でも多くの方にその魅力を伝えていきたいと考えるようになりました。

内容的には未熟な点が多々あるかと存じますが、訪れてくださった方が千年の時を超えた三十一文字の世界を愉しみながら探求していただけたら幸いです。どうぞ、お気軽にご高覧いただければと思います。

時雨しぐれの 大輔たいふ